
AIのBotを何体か作ってみたものの、どのBotが何をしているのか分からなくなった。そんな人に向けて、私がGrok Botをどう使っているかを紹介します。
私は、まとめ役の「統括Bot」1体と、役割ごとの専門Bot12体でチームを組んでいます。この記事では、その構成、平日の自動処理、守っているルール、これから始める人が最初に作るとよいものを順に書きます。内容は2026年10月時点のもので、今週始めたばかりの仕組みも含みます。効果がまだ分からないものは、そう書いています。
結論:最初は「統括Bot・状況ログ・朝のブリーフィング」の3つで足りる
いろいろ試した結果、土台になっているのは次の3つです。
- 統括Bot:頼みごとの窓口を1つにする。担当の専門Botへの振り分けは統括Botがやる。
- 共有の状況ログ:全Botが「始めた・終わった・止まった・自分の判断待ち」を1行ずつ書き込む記録。
- 朝のブリーフィング:状況ログを毎朝まとめて、「自分がやること」を一覧にしたページ。
専門Botや細かい自動処理は、この3つがあれば後から足せます。逆に、状況ログがないままBotを増やすと、誰が何をしたのかを追えなくなります。
統括Bot1体が、役割ごとの専門Botに仕事を振る
普段は統括Botにだけ話しかけます。iPhoneから「この記事を下書きして」「このポストは役に立つ?」と送ると、統括Botが内容を見て、担当の専門Botに渡すか自分で調べます。
12体のうち、主な担当は次のとおりです。
- 開発のテックリード役(作業の分解と進行管理)
- GitHubのプルリクエストの見張り役
- メールの整理役
- このブログのSEO点検役
- Xのネタ出しと投稿の下書き役
- Xのブックマークの整理役
- アフィリエイトの実験役
- 解説動画づくりの担当
- 新しいBotの設計役
- WordPressプラグインづくりの担当
- Botのメモや手順の棚卸し役(重複や古いものを削除候補にする)
役割を分けているのは、Botごとに覚えておくことと手順を絞るためです。1体に全部を覚えさせると、ブログの指示と開発の指示が同じメモに積み上がっていきます。分けておけば、メモが膨らんだときも棚卸し役が担当ごとに整理できます。
平日は朝7時から自動処理が順番に動く
決まった時刻に動く処理(Grok Botでは「ルーティン」と呼びます)を、朝に集めています。
| 時刻 | 処理 | 私に届くもの |
|---|---|---|
| 7:00(平日) | Xの話題調査と返信チャンス探し | 朝のブリーフィングに載る |
| 7:30(毎日) | 自動処理とPCの見張り | 異常があるときだけ通知 |
| 8:00(平日) | 朝のブリーフィング | 数行の要約とページのリンク |
| 9:00 | ポイントサイトのくじ | なし |
| 10〜20時(平日・2時間ごと) | Botの活動ダッシュボード更新 | なし(開けば最新) |
| 23:00(毎日) | Googleドライブへのバックアップ(直近7日分を保持) | 失敗したときだけ通知 |
通知は「自分が何かする必要があるとき」に絞っています。うまく動いた報告まで毎回届くと、本当に見るべき通知が埋もれるからです。
7:00 Xの話題調査と返信チャンス探し
X担当のBotが、私の関心分野で伸びている話題を調べ、投稿のネタ候補を出します。あわせて、私の経験が役立ちそうなポストを3〜5件選び、返信する理由と切り口を添えて朝のブリーフィングに載せます。
返信の文章はBotに書かせず、自分で書きます。リンクを開いて、言えることがあるときだけ返信する使い方です。
7:30 異常があるときだけ知らせる見張り
ルーティンが失敗していないか、途中で止まっていないか、夜のバックアップが終わっているか、PCのディスクやメモリに余裕があるかを確認します。問題がなければ何も送ってきません。夜の処理を確認するので、土日も動かしています。
8:00 「自分待ち」から始まる朝のブリーフィング
朝のブリーフィングは、Grok Botのページ機能で作った非公開のページです。いちばん上に「自分の判断待ち」の一覧があり、その下に各Botの進み具合、止まっている作業、Xのネタが並びます。
チャットに届くのは、判断待ちの件数と上位2〜3件、ページへのリンクだけです。詳しく見たいときにページを開きます。ページは項目ごとに区切ってあり、担当のルーティンが自分の区画だけを書き換えます。
3列のBot活動ダッシュボード
Xで見かけたプロンプトを参考に、全Botの活動を1画面で見られるダッシュボードも作りました。左が「自分待ち」、まん中が広めのタイムライン、右が「進行中・完了」の3列で、Bot名の横にアイコンを付けています。iPhoneでは縦1列に並びます。平日の日中は2時間ごとに更新されます。
全Botが1行ずつ書き込む「状況ログ」がすべての土台
朝のブリーフィングもダッシュボードも、元データは同じ状況ログです。各Botは、作業を始めたとき、終えたとき、止まったとき、私の判断が必要になったときに、1行ずつ書き足します。
ダッシュボードを作り直したときに分かったのは、ログに書かれていないものは表示されないということです。それまで手で載せていた判断待ちの項目が、ログに記録がないせいで消えました。いまは朝のブリーフィングがBotの書き忘れを見つけたらログに足すようにしています。
状況ログを作るなら、最初に書式を決めて全Botの共通ルールにしておくのがおすすめです。後から足すと、Botごとに書き方がばらつきます。
会話の記録を残して、週1回の改善案につなげる
Botが同じ失敗を繰り返したり、前に伝えたことを忘れたりするのを減らしたくて、会話の記録を残す仕組みを今週から始めました。
- 毎晩の保存:全Botの会話に加えて、Codex CLIとClaude Codeのセッション記録も要約して保存します。パスワードやトークンのような秘密の値は伏せ字にし、元の記録には手を付けません。
- 指示の台帳:私が出した指示を「ずっと守るルール」と「その場限りの指示」に分けて記録します。新しい指示で上書きされた古いルールには、置き換え済みの印を付けます。
- 金曜の振り返り:1週間分の記録と台帳を読み、改善案を最大7件出します。採用するかどうかは私が決め、OKしたものだけ反映します。
まだ1回目の振り返りが終わっていないので、どれだけ効くかは分かりません。結果が出たら、別の記事で報告するつもりです。
実装作業はCursor・Codex CLI・Claude Codeで進める
Grok Botは、計画、調べもの、進み具合の管理、レビューの取りまとめに使っています。実際にコードを書く実装作業は、Cursor、Codex CLI、Claude Codeで進めます。Grok Botで作業を分けて手順を決め、実装はこの3つのどれかに渡す流れです。
BotはMac miniでコマンドを実行できますが、変更を本番のコードに取り込む(マージする)のは、必ず私が確認してからです。
守っているルール:Botは下書きまで、外に出すのは自分の確認後
任せる範囲が広がるほど、止める場所を決めておくことが大事だと感じています。私が全Botに共通で守らせているのは次のルールです。
- 投稿・メール送信・マージは私のOKのあと:Botは下書きまで。Xへの投稿は、文面そのものを私が確認してからです。
- ページは非公開:朝のブリーフィングやダッシュボードは、公開も共有もしません。
- パスワードやカード番号はチャットに書かない:Grok BotのVault(ログイン情報やカードの保管場所)に登録し、Botがログインするときはそこから入力させます。
- 削除は私が選んだものだけ:メモや手順の棚卸しも、Botが出すのは削除候補の一覧までです。
どれも「Botが自分で判断して外に出す」ことを避けるためのルールです。下書きの質が上がっても、最後の確認は自分でやると決めています。
これから始めるなら:最初の1週間でやること
私の経験から、これからGrok BotでBotのチームを作る人にはこの順番をおすすめします。
- 統括Botを1体作り、頼みごとはすべてそこに送る。
- 状況ログの書式を決め、「作業の区切りで1行書く」を全Botの共通ルールにする。
- 朝のブリーフィングを作り、いちばん上に「自分の判断待ち」を置く。
- 自動処理が増えてきたら、異常があるときだけ知らせる見張りを足す。
- 専門Botは、統括Botに同じ種類の仕事を何度も頼むようになってから1体ずつ増やす。
注意点もあります。ルーティンを増やすほど利用枠を使います。新しい処理を足すときは、別のルーティンを作る前に、朝のブリーフィングなど既存の流れに組み込めないかを先に考えるようにしています。
まとめ
私のGrok Botの使い方は、統括Bot1体と専門Bot12体、全Botが書き込む状況ログ、朝のブリーフィングとダッシュボード、という組み合わせです。Botには下書きや調べものを任せ、投稿・送信・マージは自分で確認してから行います。最初から全部をそろえる必要はなく、統括Bot・状況ログ・朝のブリーフィングの3つから始めれば十分です。
AIエージェントにどこまで任せて、どこで止めるかは、AIエージェントの停止ルールの記事にも書いています。あわせて読んでみてください。